オキナワ心象風景

あれやこれやと沖縄のことを。

《沖縄の伝統》 もてなしの美(琉球舞踊・琉球料理)

薫り立つ、雅びな宮廷文化。「贅」と「美」に偲ばせた守礼の心に触れる。

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その昔、中国と密接な関係を築いてきた琉球王国では、首里城を拠点に、中国皇帝の使者「冊封使/さっぽうし」を歓待する華やかな宴が定期的に催されていました。
 
その中心となったのが宮廷舞踊(古典舞踊)と宴席料理で、当時の王府には芸能を司る「踊奉行」が置かれ、庖丁人達は中国へ出向き客人の舌に合うよう食文化を学び、まさに国をあげて迎賓への想いを昇華させていきました。
 
武器を持たない琉球王朝は礼を尽くした最上のもてなしで、心根に触れる真の外交を図っていたのです。優雅さの中にも荘厳な美しさをみせる宮廷舞踊、熟練の技という知の贅で彩られた宮廷料理、その継承の背景に宿るのは琉球独自の「もてなしの心」。
 
どうぞ、心やすらぐひと時を。どうぞ、笑みに包まれる温かな時間を。王朝の膝元にて生まれた伝統的なもてなしの美しさとは、琉球の心の美しさそのものであることを実感いただけるはずです。
 

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四つ竹
「打ち鳴らし鳴らし、四つ竹を鳴らし―」で知られる古典女踊りの名作「四つ竹」。

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流麗な動きの中に清廉な美しさをまとった祝儀舞踊の一つです。
花笠をかぶった踊り手が、四つ竹をカチカチと打ち鳴らし、艶やかかつ風雅な王朝の美を表現します。
 
 
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格調高いサンシンの音色と流麗な舞。
宮廷芸能の極みが集結。
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古典の調べ、流れるようなたおやかな所作。観る人の心惹き付ける雅やかな宮廷舞踊は、冊封使をもてなす歓待の儀として築き上げられました。その時に創作された「組踊」は、高い芸術性や他に類をみない独自性などから、ユネスコ無形文化遺産にも登録されています。
 
 

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東道盆(トゥンダーブン)
宮廷料理の中でも特に華やかな存在を誇る「東道盆」(トゥンダーブン)。格調高い琉球漆器の膳盆に9種類の宮廷料理が整然と並び、琉球王朝最高峰の祝いの膳、歓待の象徴として呈されてきました。趣向を凝らした料理は滋味豊かで多様性に富み、味わいにも異国文化との融合性が感じられます。
 

 

 
 

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柳(やなじ)
柳やぼたん、梅を採物にし、それを一つずつ持ちかえて踊るという
古典女七踊りのなかでも特異な存在の踊りです。
自然の摂理と人情の機微を、採物により具体化した舞です。 

 

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獅子舞
獅子舞は旧暦の八月十五夜に各地域で豊年祭の第一番目の演目として演じられます。
守り神の象徴とされる獅子は、座を清め邪気を払い幸福を招くと言われており、手に獅子頭を持ち勇壮活発に踊ります。
 

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空手舞踊
琉球王朝時代、国王の警護や国の治安維持のために秘密裏に継がれてきた空手や武術。
卓越した技術と力強い身のこなしに圧倒されます。
 

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寿の舞
その名のごとく「祝儀の舞」として親しまれている創作舞踊。「渡りざう」「瀧落し」「江佐節」「かなよー」「伊集早作田節」の5曲構成が特徴。紅型の衣装に季節の花をたずさえ、時に華やかに、時に情感豊かに独創的な舞踊を繰り広げ、観る者を魅了します。